デザイン書道、あらゆる筆文字のオーダーメイドサービス「筆文字なび」株式会社アートバンク
デザイン書道について
 
デザイン書道の歩みと今後
桑山弥三郎

デザイン書道とはデザインの要素として毛筆体を取り入れることやロゴタイプの表現を毛筆で表すことなど書道にデザイン意識が加わったものを言う。複製されるためにサイズの変化に耐え、墨から色になったり多くの制約を受ける。それは書道といっても観賞だけでなく使用目的が明確で優先され、その内容を表現する線やかすれや字体が求められる。さらに美しく、読みやすく、印象が強いもの。その上に強さや、親しみ、優しさ、さわやかさなどがつけ加えられることもある。

デザイン書道という言葉は新しいが、その意味する実体は古くからあった。それは毛筆が日常の筆記用具であった時代から始まる。文字による意味伝達に加えて字形に何かを語らせる。すなわち何かのイメージをもたせるように意識して書くもの、他のものと区別し、独自性を持つ字形。これが物品に貼られる紙に書かれればそれは商標になる。鎌倉、室町時代にはこれらの書は商標の機能を持つようになった。一般に普及したのは商標が法的に保護を受けるために登録された明治17年(1884)頃であろう。

文化面からみると江戸時代はデザイン書道の活躍した興味ある時代であった。その源は筆記書体の「お家流」から出発している。お家流は書道の芸術性より実用性に重きがおかれ、寺子屋の文字を教える書体として江戸幕府の公認となる。このお家流を芝居の看板にふさわしい書体に工夫したものが「勘亭流」の誕生である。それは安永8年(1779)中村座のまねき看板で岡崎屋勘六によって創作された。この書体は芝居文化と結びつき、芝居の雰囲気を盛り上げ、内容を表すことを意識したデザイン書道の先駆者になった。勘亭流から影響を受けて火消しまといの「篭字」、寄席の「ビラ文字」、酒銘柄の「ひげ文字」などが誕生した。これらを総して江戸文字と呼ぶ。

現代のロゴタイプやタイプフェイスなどデザイン文字は法的保護がない。苦心し時間をかけて制作した作品がコピーされたり、まねされたりした事件が後をたたない。その中にあってデザイン書道は「書」としての芸術の範疇にあるので現在の著作権で保護される。現在は毛筆スタイル文字だけが保護の対象になり他のデザイン文字は対象外とされている。これからは書とデザインの中間のものや組み合わせたものが出現したときにどのように考えるかという問題が残る。

デザイン書道の今後の発展を考えてみる。本書は北海道から沖縄までの全国の作家作品が集録できた。一見して作家の特徴や書風が判り、作品依頼者にとっては作家の個性と力量を知ると共に狙いの書き手を探す案内書になる。今後は中国や台湾などの書道の国を含めた国際版として発表できるだろう。今回タイプフェイスは一点だけであったが、この分野にも進出するなら、一商品や一催物タイトルだけでなく組み文字することによって無限に作品を産みだすことができる。
またマークやピクトグラムの世界にもデザイン書道を生かせるだろう。書の文字を一部カットしたり、デザイン文字と組み合わせたり、イラストと組み合わせることにより、分野を広げ新しいものを作りだせる可能性がある。本書がその契機になれば出版の意義はさらに大きなものになる。
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